今回扱うのは、第六段。
冒頭で「我が身のやんごとなからんにも、まして數ならざらんにも、子といふもの無くてありなん」
と言い切る兼好。
前回扱った段では「妻を持ってはならぬ」と断言し、さらにここでは、身分が高い人だろうと、取るに足らないものであろうと関係なく、「子は不要」だと断言する。
しかも、子は不要とする根拠が、功成り名を遂げた人の中で子のいなかった者の例ばかり集めてきたり、聖徳太子について史実ではない伝説のエピソードを持ってきたりと、こじつけ感がハンパない。
いったいどうしたんだ、兼好!?
しかしこれも徒然草の味わいの一つ。ここでこう言っているからと言って、それが絶対だと兼好自身も考えていたとは限らない。柔軟性を持って読んで行こう。