先輩とこのバーに来るのは3度目だった。
「事務員の18年物、オンザメガネで」
「ふぅ…」ひと心地ついたところで話をきりだす。
「彼女はどうして自分の魅力を抑えるような物を身に纏うのでしょう。まるで拘束具だ」
「…それは違う。彼女のあれは、そう…エビフライみたいなものだ」意味が分からない。
「エビフライは衣を着けて揚げる事によって旨みを凝縮する。それを生のエビと比べるのは愚かしい事だ」先輩の首輪が光る。
「なるほど、彼女はエビフライでこそ真価を発揮するという事ですか」
「そうだ。彼女こそはこの業界におけるブラックタイガーなのだよ」
なるほど。僕はタルタルソースをぶちまければいいということか。
「何気に牛ビームとか出せそうですよね」
「いや、それはない」