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東方昭和伝
東方昭和伝 第十三章「帝人事件」(2/2)
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2010/9/26
2010/9/26 21:52
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大阪時事新報 1934.12.28 (昭和9) 社説 “帝人”疑獄
「近代の政治は経済的利益の残滓を繞っての醜悪な紛糾そのものである。所謂帝人事件として、われわれを戦慄せしめた近代の大疑獄事件の予審終結決定書は漸く二十七日公表せられたが、これ等の犯罪が背任●職、偽証等、凡そ、公私人として、不名誉この上も無いものであるが、それが、現職の大蔵次官局長を初め、前大臣や特銀の頭取等を容疑者としている丈けに、われわれとして唖然たらしめるのである。いよいよ明春これが公判も行われる筈であるが、其の社会風教上に及ぼす影響の如何に甚大なるかを見る時には到底正視出来ないものがある。今日に至るまでの検察当局の苦心は一通りではなかったと思うが、この点われわれは当局に対して満腔の謝意を表すべきである。 」
昭和9年のジャーナリズムがこぞって取り上げ、検察と一緒になって政財界を叩いた帝人事件。しかし帝人事件は、完全な検察のデッチ上げだったのである。疑獄事件が起こると、マスコミや国民は、ついヒステリックにバッシングに走ってしまいがちだが、政治的な意図によって仕組まれるケースが現実にこの国の歴史に存在したという事実は、記憶しておくべき教訓だろう。
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