ある日僕は、高校映画研究会の先輩、須田浩美さん(享年27歳)から6年ぶりに呼び出された。「カメラを持って、おれに密着しろ」この一言から、僕と須田さんの長い180日間が始まる... このドキュメンタリーは学生映画監督・須田浩美の映画制作を記録した約3000分の膨大な素材をもとに編集された。新作の完成間近、突然この世を去った須田先輩。しかし、僕の手元に残った記録用の小さなテープには、須田浩美という男の愛憎とでもいうべき"映画への執念"が焼き付いていた。ー須田浩美が本当に作りたかった映画は何か?ー「カメラを回まわし続けろ、おまえには何がみえている?」彼の最期の執念をドキュメンタリーというカタチで具現化することが、その言葉に対する僕の唯一の答えだと思っている。(監督 上杉俊輔)