日本映画を代表する傑作の1本。
巨匠・小津安二郎監督が、戦後変わりつつある家族の関係をテーマに人間の生と死までをも見つめた深淵なドラマ。
故郷の尾道から20年ぶりに東京へ出てきた老夫婦。成人した子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった。
唯一、戦死した次男の未亡人だけが皮肉にも優しい心遣いを示すのだった……。
いまでは失われつつある思いやりや慎ましさといった“日本のこころ”とでもいうべきものを原節子が体現している。
妻を亡くした笠智衆が夜明けを迎える姿を捉えたショットは映画史上に残る名シーンのひとつ。
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