周吉は在京の旧友と久方振りに再会して酒を酌み交わし、とみは紀子の家に泊まる。ここでとみは、戦死した夫を忘れて再婚するよう、紀子に強く勧めるのだった。周吉は旧友に本音をぶちまけるほど泥酔する。深夜、泥酔状態のところをお巡りさんに保護されて、志げの家に帰ってきてしまう。そこで志げ夫婦の顰蹙を買う。
2人は、子供たちからはあまり温かく接してもらえなかったが、それでも満足した表情を見せて尾道へ帰った。ところが、両親が帰郷して数日もしないうちに、とみが危篤状態であるとの電報が子供たちの元に届いた。子供たちが尾道の実家に到着した翌日の未明に、とみは死去した。幸一と志げは悲しみつつも、間もなくさばさばした乾いた表情を見せる。
次
sm18787032