関係者によりますと、事情聴取を受けているのは、事故当時、東電の原発に関する最高責任者だった武藤栄前副社長です。福島第一原発の周辺住民らは、原発事故により救助活動や避難が遅れたなどとして、東電の旧経営陣や菅直人元総理大臣らを業務上過失致死傷などの疑いで、東京地検や福島地検などに告訴・告発していました。国会事故調査委員会の報告によりますと、2008年に東電が原発の耐震安全性を再評価した際、より高い津波が襲う可能性を試算していましたが、武藤前副社長ら当時の幹部は対策を講じていませんでした。検察当局は、この試算が社内でどう扱われたかなどについて事情を聴いている模様です。検察当局は、年明けにも当時の別の役員らからも事情を聴く方針です。