某日、知人からヘルプを頼まれた。機材トラブルでラボの設備を借りたいと。スタッフ達は今こちらへ急行しているそうで、到着までにテストを済ませておきたいという。■しかし問題が一つ。モデルがいないのだ。それどころかラボはもぬけの空。ここにいるのは私と霧夜教諭の二人だけである。■そこで教諭がまさかの提案を。いい機会だし競演しないかというのだ。うろたえ、丁重にお断りする私に、彼は不敵な笑みで「残念、ネタは割れている」と。――そうか。そういえば教諭も忍だったな。わざわざこんな半漁の過去を調べるとは、物好きな。■降参だ。たまにはおじさん二人で華のない演舞も悪くない。■ただし、今日のことは他言無用で頼む。