七十年の時をさまよう魂は、夢を見、自らの想いを語る。楽園の閻魔が為すべきは、ひとかけらの同情すら加えず、幻想郷に静謐を取り戻すこと。四季映姫ヤマザナドゥの手によって花の夢に引き込まれた幻想少女たちは、それぞれに死者の想いと向き合うこととなる。
海原で、滑走路で、大陸の荒野で、熱帯のジャングルで、死に絶えた言論の陋屋で、ラジオが流れる瓦礫の町で、緑豊かな景勝地で、亡国の首都で、そして現代の鎮魂の場で、あるときは饒舌に語り、またあるときは頑なに沈黙を守る亡者たちの、身勝手にして切実なる告白劇が始まろうとしていた。
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