構造化知識研究所の田村泰彦社長の経歴・プロフィール及びインタビューが、動画サイト「賢者tv(賢者グローバル)」で紹介されています。
株式会社構造化知識研究所(本社・東京都)は、自動車メーカーや部品メーカーなどの製造業に対して、ミスや事故を減らすためのツールを提供する会社です。設計者や技術者が使うソフトウエアやシステム、データベースを開発しているようです。いわば日本のものづくりを陰で支える黒子役といったところでしょうか。
設計上のミスや失敗の大部分は、過去に経験したことがある現象に基づくものだと言われています。今まで知られていなかったメカニズムに基づくものは少ないということです。
つまり、既存の知識を十分活用すれば、設計上の不具合の多くを防げるということです。そのためには、知識を再利用しやすい形にする必要があります。
構造化知識研究所は、「SSM(Stress-Strength Model)」という手法を提供しています。この手法は、田村社長が東京大学の研究院として安全技術について研究していたときに開発した独自のモデルだそうです。ベテランのエンジニアたちが持っているノウハウや経験をデータベースにすることで、だれでも簡単にミス防止に役立てるようにします。
サービス業、製造業ともにベテラン従業員の業務知識や経験の集約・継承が重要です。一般には、知識を共有するために、テキストで書かれたマニュアルが用いられています。しかし、テキストで書かれたマニュアルは、各行為の目的や根拠が欠けていたり、行為間の関係が不明瞭だったりする場合が多いです。
そこで、情報の「構造化」を行う必要があります。構造化することで、行為の目的と根拠が明確となり、行為のまとまりや行為間の関係もはっきりします。人が理解しやすく、検索や推論に活用しやすいナレッジ(知識)として利用しやすくなります。
知識の構造化には、基本的な3つのパターンがあるそうです。それは「分類する」、「配列する」、「関連づける」です。
過去の不具合事例から得た教訓を、将来にわたって活用しやすいように、分解します。そして、それを一定のルールに基づいて配列します。お互いの情報が有機的に結びつくように、関連付けを行います。こうして、誰もが情報を簡単に引き出せるようなデータベース(DB)を構築します。
構造化知識化のプロセスは、短期間で仕上げられるものではなく、日々の積み重ねが必要になります。しかし、この理論を的確に実践すれば、スキルと経験が豊富なエンジニアからのアドバイスに匹敵するようなノウハウが得られるようになります。技術者は未然防止活動のさまざまな目的に応じて、構造化知識ベースを活用します。