香奈子(39)は、卵巣腫瘍の手術後の養生で、久しぶりに母・節子(66)が一人で住んでいる郊外の実家に身を寄せることになる。
香奈子は、母に対し、この家で苦労してきた後ろ姿を見て同情する気持ちがある一方、何かと一人娘である自分に干渉してくるので、実は節子が苦手だった・・・。
かつては大家族だったこの家で、母と娘の二人きりの生活をするようになってはじめて、今までのわだかまりをぶつけ合う二人・・・。
シングルになった母娘の、三世代にわたって守ってきた≪家≫への愛惜の情と、それぞれの幸福のあり方を模索していく姿を温かく描く。