付箋紙を一つ外して 閉じたままのページ辿ってみる
窓辺から吹き込む乾いた風 束の間の翳りは途切れていった
くしゃくしゃに丸めた願い 気が付けばずっと散らかったまま
足の踏み場さえなく独り心が 行き場を失くしていた
白紙のノートの片隅 書き込んだあの日の夢の続きを
今は足早に過ぎてゆく 時間に想いを重ねながら
澄み渡る空を仰いで 昼下がりの風に吹かれて
感じたのは今ここに在る 僕等の小さな心の声
不安に駆られてどこにも 進めないままの足取りも
この場所から書き足してゆく 一つの空白の向こうで
十年後の自分なんて 想像の彼方に霞んでいて
イメージ通りなら少しはマシだろうって 無理言いに聞かせる
迷ったり立ち止まったり 辿った道程を振り返るとき
傷を抱いてそれでも歩み続けた跡が きっと見えるだろう
誰もが不確かな明日を 信じてそれでも進んでいる
草臥れた日々の思い出もいつかきっと 輝ける日が来る
辛いときは泣いたっていい 受け容れる強さがあればいい
そこにまた願いの芽を育ててゆく 泥濘む足元で
滞ることなく 日々は巡ってゆく
遠回りや足踏みにも きっと意味があるだろう
目くるめく時間の中で 景色は移ろい変ってゆく
少しの食い違いなんてもう 大したことないって思える
澄み渡る空を仰いで 昼下がりの風に吹かれて
感じたのは今ここに在る 僕等の小さな心の声
不安に駆られていつしか 進まないままのページさえ
この場所から書き足してゆく 一つの空白の向こうで
空白の向こうで...