昭和7年(1932)の2月から3月にかけて日蓮主義の僧侶・井上日召が率いる右翼テログループが、前蔵相の井上準之助および三井財閥の団琢磨を相次いで暗殺する事件(所謂世に言う「血盟団事件」)が起こります。日蓮主義者と陸軍および海軍における錦旗革命グループとの繋がりは強くなり、軍が武器を調達し、日蓮主義者がテロを行うというパターンが生まれて行きます。そして同年の5月には海軍グループによる「515事件」が発生します。これも背後には日蓮主義者たちが関わってきます。日蓮主義者と軍人クーデターグループの共通目標は、天皇を中心とした社会主義国家の建設であり、やがてその目標は4年後の2月26日に起きた「226事件」のように、国家改造および八紘一宇思想へと発展していきます。