12日に公開された外交文書によりますと、この1か月前、大来佐武郎外務大臣の名前で、北京に駐在する日本の大使宛てに、「沖縄県の尖閣問題について、記者会見で質問される可能性が大いにある」という電文が出されました。この中では「華総理がいかなる発言をされるかは、非常に微妙な問題だ。日本側を刺激するような発言をされると、『日本の賓客として訪日しているのに何だ』という議論を呼び起こし、訪日の成果を大きく損なうことになる」と指摘しています。そのうえで「アジア局長が訪中する際に、中国側と率直に打ち合わせたい」などとして、華首相が尖閣諸島に関する発言をしないように事前に、中国側に要請していたことが明らかになりました。