1.無智と智慧、真の幸福とその道
仏教の心理学では、自他の幸福を区別する心の働きが、人の苦しみの根本であり、それを無智と呼ぶ。一方、自他の幸福は一体で、他との苦楽の分かち合いが真の幸福の道と気づいた意識を智慧とも言う。
智慧は、最高の宝は、自分だけが所有するものではなく、皆が共有するもの=大自然・宇宙万物と気づき、他の幸福を妬まずに喜ぶ広い心と、心身の健康・良好な人間関係・正しい判断力をもたらす。
2.すべては心の現れ(唯識思想)
私たちが見る外界は、実際には、他者・外界そのものではなく、科学的には、私達の脳内の情報である。感覚器官が脳に伝達する信号と、それと連動して意識の上る様々な情報である。