【ラジオ文芸館】池澤 夏樹 「上と下に腕を伸ばして鉛直に連なった猿たち」
霧に包まれた川の上を渡し船で運ばれていく男。たどりついた桟橋から丘の中腹にあるホテルに向かうと、ホテルの部屋にはどれも見知った家具や懐かしい雑貨が並んでいる。男は、料理も景色も、自分の記憶にあるものが出てくるばかりの場所に戸惑いを感じながら納得してもいるようだ。
そんな男の前に、突然、事故で亡くなった18歳の姪が現れる。「アンクル、こっちに来ちゃったのね」記憶から出てきたのではない確かにそこにいる姪と男との会話が始まるのだった…。
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