色んな夏があるんです・・・。石畳の道に夜の風鈴月に踊るように 風に揺られてあなたとただ二人 浴衣の京都下駄の足音だけ 固く響いて冷たい手を重ねて 心は重ならない冷めた目が虚ろ気に どこともなくさ迷って淡い明かり 夏の色 滲む提灯 会話もない心のまま 花見小路歩く近く遠く夢のような 祇園囃子が会話もない隙間を ただ掠めすり抜けてく恋人たち涼む 夜の川辺に並ぶ床の下で 星を見ようか肩と肩の距離なら 去年 よりも遠くて流れない時間だけ 指先まで絡みつく細い路地の 裏の道 猫が逃げてく会話もない心のまま 先斗町を歩く行き交う人 その中を 速足になる会話もない隙間を ただ声がすり抜けてく最後の喫茶店でグラスに溶けた氷辿り着いた さよならを 橋のたもとで形だけのキスしたあと ありがとうと消えるシャボン玉の 夢のあと 目が覚めただけ背中向けてお互い また 知らぬ人に戻る