韓国と北朝鮮の首脳会談から一夜が明けました。歴史的な会談を韓国の国民は、どう受け止めているのでしょうか。ソウルから報告です。
(高橋政光記者報告)
「板門店(パンムンジョム)宣言」に北朝鮮の完全な非核化を明記したことを評価する声が多い一方、具体的な方法が盛り込まれなかったことへの懸念もあります。
韓国の新聞各紙は27日の会談を大きく伝えていて、「朝鮮半島に戦争のない新しい平和の時代が開かれた」などと肯定的な見方が目立ちます。ただ、「核廃棄について本当に深い議論が交わされたのか疑問に感じるほど合意文書にはわずかな内容しかなかった」と厳しい指摘もあります。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は来月中旬にアメリカを訪れ、トランプ大統領と会談する方向で調整していて、南北首脳会談の結果を直接説明したうえで、米朝首脳会談に向けて意見を交わすものとみられます。韓国としては北朝鮮との関係改善にめどがつき、米朝の仲介役として存在感をアピールしたいところです。今後はアメリカ、中国、日本も交えて外交総力戦になります。韓国の人たちもその行方に熱い視線を注いでいます。