5月9日の日中韓首脳会談は、日本の立場として安倍総理大臣はどんな手応えを得たというふうに感じられるのでしょうか。迎賓館の前から報告です。
(政治部・吉野真太郎記者報告)
今回の会談の懸案事項は「北朝鮮問題」です。日本政府としては、今回の会談は「通過点」と捉えています。というのも、当面のキーとなるのは米朝首脳会談です。非核化に向けた具体的な取り組みを決めるのはそこです。そこに向けて、北朝鮮と関係の深い中国、そして韓国と直接、会談して足並みがそろっていることをアピールするのが今回の狙いです。拉致問題では、安倍総理から解決に向けて協力を呼び掛けて理解を得ました。また、中国の李克強首相からは日本と北朝鮮の直接会談への期待も表明されました。ただ、非核化の進め方については考え方に違いがあるのは確かです。日本は目に見える形、そして後戻りができないような形に至るまでは圧力を維持すべきという主張です。ただ、中国は非核化の進行に合わせて圧力を段階的に緩和すべきという立場です。今回の会談では、こういった微妙な立場は飲み込んだうえで連携を打ち出した格好です。