◆エグゼンプトというのは「除外」とかいう意味なんですけど、時間や働く場所にとらわれない、残業代の支払い対象から除外される人たちのことなんですよね◆ホワイトカラーの人が中心でホワイトカラーエグゼンプションと呼ばれてたんですけど、アメリカではホワイトカラー、ブルーカラーを区別することは差別とみなされますのでいまでは単にエグゼンプトとかエグゼンプションと呼ばれています◆本来ある種の特権的な人たちだったんですけど、2004年ブッシュ政権によって年収(週給)要件が下げられてしまったんです◆さて、そこからは動画にもあるように、「君はエグゼンプトだから」「週給455ドル以上だから」と残業代を払わなくなる経営者が増えたんです◆それを見直そうとしたのがオバマ政権やったんですね◆実際に週給換算で913ドル、ほぼ倍増したわけです◆「やったー」と思うてたら、テキサス州連邦判事が「連邦労働省にそんな権限はない!」として差し止め請求。法廷闘争にほぼ一年を費やすことになったんです◆また日本の経団連みたいなのはどこにもおるんですよね。ウォルマートとかね低賃金労働者で成り立ってるような会社の経営者連中が反対してたんです◆すったもんだがありまして、まあようやく施行されるかと思ってたら政権交代◆トランプ政権は改めて仕切り直しを行って年収換算で3万3660ドルまで要件を下げる予定なんです。おそらくこれで施行されるでしょう◆まあ、もとからくらべたら上昇してますから、救済される人も出てくるんでしょう◆最悪、無かったことにされるかと思ってましたからそれよりはましか、と◆どちらかと言えば「アメリカの労働者の味方」を標榜していたトランプ政権が、経営者寄りの判断をしたというのは皮肉ですよね◆アメリカではこのエグゼンプト制度を適用されているのは全労働者の23%程度とされていますが、それ以外に「経営者の判断でエグゼンプトであるとみなされて」残業代なしで泣き寝入りしている人は多い、とされています◆