福島第一原発事故を巡る東京電力の旧経営陣の裁判で、津波対策の専門家が事故前に東電に対し、巨大地震の予測は「無視できない重要な知見」と助言していたことが分かりました。
東電の元会長・勝俣恒久被告(78)ら3人は、第一原発が津波で浸水し、爆発する可能性を予見できたのに対策を怠り、死傷者を出した罪に問われています。12日の裁判には、津波対策の専門家の今村文彦東北大学教授が出廷し、国の専門機関が巨大地震を予測した「長期評価」について、2008年に東電の担当者に対して「無視できない重要な知見だと助言した」と明かしました。一方、裁判で長期評価そのものについて問われると「根拠が分からない」「すぐに対策に取り入れる必要はなかった」などと証言しました。
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