【深夜0時】とあるギャンブル 【at 上野】
ある夜、電話があった。
大阪で粉もん転がしてる兄貴からだった。
『おう、東京来とるけん、顔出しや』
『え?今からスか?今からはちょっと…』
『わしの呼び出しっちゅーんはハイかイエスしかあらへんのや。
真夏の東京湾で海水浴したないやろ?』
…それじゃレジャーんなっちまいますよというツッコミを必死で堪えた。
兄貴が東京に来てるということはおそらく1人じゃない。
そこにぼくが行って『変な空気』にさせてしまってもアウトだ。
『9回2アウト2ストライク、さあバッターオレ、追い込まれた』
1人でそんなことを呟きながら、ぼくは夜の繁華街へと向かった。
※この物語はフィクションです。
【ニート歴10年目、35歳、ハゲたおじちゃんにーと名田(なだ)】
【にーと名田のtwitter】
http://twittter.com/neet_nada