足立朱美容疑者:「(Q.自殺だと思うか?他殺だと思うか?)普通に考えて自殺だと思います。(会社の関係者から)なんらかの圧力が掛かったか、弟が知られたくないことを弱みを握られたか」
逮捕前のインタビューで自殺の可能性を強調していた朱美容疑者。10代後半の息子がいて両親とは別の家で暮らしていたが、この日はなぜか前日から泊まったという。一方、亡くなった聖光さん。実家を出て別の建設会社の社長をしていた。事件当日は、妻に「忙しいけどちょっと寄る」とメールをして実家に行ったとされる。そこで、事件が。遺体を見つけたのは妻。朱美容疑者に呼び出されたという。
足立朱美容疑者:「義妹(弟の妻)がトイレのドアを開けて、『いやー』と一言、言って弟を引きずり出したんですけど、その後、私が心臓マッサージをしている間は(義妹は)『死んだ』と決め付けて電話していて、まだ温かいから『まだいける』と思いながら、ちょっと違和感を感じながら(マッサージをしていた)」
自らの関与を否定するような説明だが、警察の見立ては逆だ。聖光さんは、朱美容疑者に睡眠薬を飲まされてトイレに運ばれたとみられる。飲まされた家族は1人ではなかった。家族の異変は他にも。朱美容疑者の父親は1月、なぜかインスリンを大量に摂取。現在、脳死状態だ。この件について朱美容疑者は、弟・聖光さんの関与をにおわせていた。
足立朱美容疑者:「(Q.遺書の内容は?)父親にインスリンを打ったということと、私の会社を吸収しようと思っていたと」「(Q.(父親も弟も)心当たりは全く?)ないです」
異変はまだあった。聖光さんの自宅周辺には事件後、こんなビラがまかれたという。
4月にまかれたビラ:「聖光の妻は同僚と愛人関係にある。2人が聖光を自殺に追い込んだ」
しかし、このビラに関連するデータが朱美容疑者の自宅のパソコンから見つかった。父親が倒れた後、聖光さんは妻に「朱美は気を付けろ」と話していたという。聖光さんの事件に関して警察はいくつもの不審な点を発見しているという。例えば、自殺をしたとされるトイレは接着剤で扉に目張りがされていたが、接着剤の容器や練炭を燃やしたマッチなどは別の部屋にあったとされる。警察は、聖光さん殺害の詳しい経緯を調べるとともに父親の件についても調べている。