2018年8月15日 10時40分
陸軍の青年将校たちが首都 東京の中枢を占拠した「二・二六事件」で、襲撃を受けた当時の侍従長、鈴木貫太郎の妻が、のちに事件の様子を語った音声が千葉県野田市で公開されています。
二・二六事件は昭和11年2月26日、「昭和維新」を掲げて決起した陸軍の青年将校たちがおよそ1400人を率いて東京の中枢を占拠し、政府要人ら9人を殺害したものです。
公開された音声は当時の侍従長で襲撃を受けて、ひん死の重傷を負った鈴木貫太郎の妻 タカが、事件の様子をのちに語ったものです。
この中では、鈴木が将校に対して「何事が起こってこんな騒ぎをしているのか。話したらいいじゃないか」と呼びかけたことや、タカが「とどめだけはどうか待ってください」と訴えたことなどが記録されています。
鈴木は事件のあと、敗戦の色が濃くなるなかで総理大臣を務め、戦争の終結に道筋をつけました。
野田市教育委員会の笹川知樹さんは、公開された音声について「事件で何が起きたのかが臨場感と共に伝わってきます。歴史の1ページを知ってほしい」と話していました。
この音声は、野田市の「鈴木貫太郎記念館」で11月4日まで公開されています。