震災以前と以後とでは、何かが大きく変わったと私は感じます。そして変わらなければならないと思います。この事態を「国難」と呼ぶ感覚には、それだけの意味があるのです。
これから私たちは、世界をどのように見つめるのでしょうか。人生に何を求めてゆくのでしょうか。私たちは、未来の世代に何を遺し、何を伝えてゆくべきなのでしょうか。
現地で感じたこと、その後、深めた想いを手がかりに紡いだ新たな詩を中心にして本書は生まれました。この本のために撮影された写真とともに構成された一頁一頁は、今という時に向けた私自身の切なる祈りにほかなりません。
(高橋佳子著『果てなき荒野を越えて』より抜粋)