私は以前から「コンクールには本当によい曲は通らない」と言う思いがあった(実際、ローマ賞など、大作曲家の作品入選などもあるが、彼らの重要作品には成っていない)。
さすれば、この作品も駄作なのか?
ただし、このご時勢すなわち、かの日本音楽コンクール作曲部門でさえ、楽譜審査だけの審査でことをことを済まそうとし多くの専門分野から批判を受けているご時勢において、このシュピール室内合奏団の演奏家(+2人)が何回も演奏しよく録音を聴きなおしての審査は、「厳正な審査」の名に恥じぬ誠実なものであった、と私は感謝している。