帝国暦486年10月ごろ、第4次ティアマト会戦を戦ったミューゼル艦隊を含む遠征軍は、
帝都オーディンに凱旋する。実際には辛勝にもかかわらず、大勝利と喧伝された。
ラインハルトの帰還で待っていたのは、上級大将への昇進の内定と、ローエングラム伯爵家を継ぐ事であった。
少年時代の経緯から、ミューゼルと言う姓を捨てたがっていたラインハルトは伯爵家を継ぐ事に異存はなかった。
しかし大貴族の間ではローエングラム伯爵家を継ぐ事に反発が大きかった。
そのためラインハルトに対して、伯爵号を得るのにふさわしい実力を示せと言う話になった。
その中、帝国軍三長官、軍務尚書エーレンベルク元帥、統帥本部総長シュタインホフ元帥、
宇宙艦隊司令長官ミュッケンベルガー元帥が一同に会する。議題はローエングラム伯の実力を試す遠征計画である。
前回の戦いでは、ローエングラム伯は幕僚に恵まれたと言う事になり、ミッターマイヤー、ロイエンタール、
メックリンガー、艦長のシュタイメッツまで、ローエングラム伯の配下から外される。
こうした上で同盟領への侵攻を命令する事になった。さらに軍機であるはずの遠征計画は何者かの策謀によって
フェザーン経由で同盟政府の知るところとなる。
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