Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=DAmgeYjgfyk)。
17~18世紀に存在したペダル・チェンバロは、通常のチェンバロに下部に低音部を担当する弦・ペダルを追加した楽器で、パイプオルガン奏者がオルガン曲の練習用に使用していました。
ただ、バロック音楽時代のパイプオルガンは低音部が構造的に聴きとりにくいという欠点があり(これが改善されるのは19世紀のフランスで「ロマンティック・オルガン」が登場してからになります)、それに対してペダル・チェンバロでは強化された低音部の音がしっかりと聴きとれるため、フーガの演奏に関して有利であったといわれています。この動画の幻想曲とフーガ ト短調「大フーガ」BWV542の演奏でも低音部が明瞭に聴きとれ、通常のパイプオルガンとは異なる新鮮な響きになっています。
なお、この「低音部が明瞭に聴きとれる」という特徴から、バッハのトリオソナタや「パッサカリアとフーガ」は本来ペダル・チェンバロのために作曲されたのではないか、という説が一部で唱えられています。
エドワード・ジョージ・パワー・ビッグス(ペダル・チェンバロ)