某所より。上尾事件(あげおじけん)は、昭和48年に国鉄労働組合(国労)と国鉄動力車労働組合(動労)の順法闘争に反抗した利用客が国鉄高崎線上尾駅で起こした集団暴動事件である。順法闘争とは争議権が認められていない公務員などの労働組合で、規則などを完全に励行することによって、合法的にストライキと同様の効果をねらう闘争戦術。一方、鉄道利用客にとって、公式なストライキであれば欠勤・欠席が認められるが、順法闘争は公式なストではないため通勤・通学をするしかなく利用客の不満は高まっていった。また、崩壊状態のダイヤは貨物列車による首都圏への生活物資の輸送に滞りを発生させ、結果として物価の高騰を招くに至り、順法闘争は民衆の生活に悪影響を与えるもの、という認識と批判が強まっていた。