初詣、七五三、七夕、おみくじと言えば、日本に長く根付いた「日本特有の伝統文化」であり「やはり日本は神道だなあ」と思いたいところですが、
ただ、実はこれらはまったく神道には無関係な、道教(陰陽五行>陰陽道)や仏教からの習慣で、さらには、意外と歴史が浅く、おみくじ(平安時代)以外では、庶民の間に初詣、七五三、七夕が普及したのは江戸時代以降、しかも、本格的に世間一般の行事になったのは明治末以降というのが現実です。
おみくじを始めたのは天台宗(比叡山)18世の元三(がんぞう)太師と言われた良源上人で、比叡山の延暦寺の根本中堂で発行したのが初めてと言われます。
初詣は、儒教や道教や仏教(大乗仏教)の伝統を持つ東アジア諸国では名称は異なれ、新年を祝う東洋的宗教行事として中国(道教や仏教寺院で)、韓国(仏教寺院で)、ベトナム(仏教寺院)などで日本と同様に行われています。
日本で初の「初詣」と言われるのが源頼朝の鶴岡八幡宮での新年の詣でだと言われますが、これは道教の陰陽五行思想を継ぐ陰陽道の方角説から生まれたもの(恵方詣で・大歳神<陰陽道神>)で、庶民の間で寺社への信念の詣でが広がるのは江戸時代末期になってから。
七五三は、道教の「天地三歳論」をルーツとして、江戸中期の呉服商人が広めたと言われます。
これを考えると、元々日本にあったものと思ってるものでも実は外国の宗教習慣や思想から来てたり、それで日本へ伝わってからの歴史が意外と浅い(江戸時代以降とか明治以降とか)ということがよくあります。