「もしもし広野くん? もしかして、待ち合わせ場所、間違えてないよね? 噴水の前のベンチだからね。知ってるよね? 迷ったんなら電話して。迎えに行くから」
「みやこです。大丈夫、広野くん? 途中で事故に遭ったりしてないよね? これ聞いたらすぐ連絡ちょうだい」
「いい加減にして! 連絡ぐらいしてよ! 電話くらいできるでしょ! あたし、心配してるんだからね!」
「みやこです。広野くん?電話に出て。そこにいるんでしょ?ホントはこれ聞いてるんでしょ?電話に出てよ。お話しよう。私の相手してよ」
「どうして来ないの? どうして電話でないの? どうして返事くれないの? どうして? どうして黙ってるの? どうして?」
「広野くん? お願いだから連絡して。別に怒ってなんかないから。会えるまで待ってるから。声が聞けるまで、ずっと待ってるから!」
「広野くん……来てくれるんだよね……? あたし……待ってていいんだよね……? 信じてるから……あたし、信じてるから……」
「お願いです……返事下さい……メールでもいいから……一言だけでもいいから……お願い……一人にしないで……ずっと待ってるから……!」
「どうして……どうしてなの……?約束したのに……あたし、信じてるのに……どうして……?」
「ダメなのかな……?もしかして、あたしダメなのかな……? あたし……広野くんに嫌われてる……? もしそうなら……そうだって教えて……! 嫌いなら嫌いって言ってよ! 黙ってないで何とか言って! お願いだから!お願いだから何か言って!」
「……ごめんなさい……う……変なこと言ってごめんなさい……怒ってる? 怒ってるよね?……あたしいつもわがままで……勝手ばかり言って……広野くんの事振り回して……ごめんなさい……ごめんなさい……!」
「あたし……眠れなかったんだよ?今日のデート楽しみで……広野くんの事考えたらドキドキして……っ……こんな気持ち初めてで……どうしていいかわからなくて……会いたい……あたし、広野くんに会いた……!」
「たすけて……広野くん……あたしを助けて……! 消えたくない……消えたくないよ! あたし……広野くんの心から……消えたくないよおっ……!」