シェーンベルクやハーバの弟子ですが、最終的にアウシュヴィッツのガス室で命を落とすことになったウルマンのピアノ協奏曲の緩徐楽章を演奏してみました
2011年から幾度となくウルマンの話をしていますがようやく取り組めました
ゾッとするほど悲しく甘く、世界が溶けていくかのような曲だと思います
音量を上げて聴いてみてください
これはプラハにナチが進駐した時期に書かれた作品(書き上がったのがチェコスロバキア消滅の9ヶ月後)で、この2年後に亡命が叶わず捕らえられ、ユダヤ人であったウルマンはテレジンの収容所に送られてしまいます
それを予期してか、30年代後半からの作品をフィルムで複写して友人に託しています
その中にこの協奏曲も含まれています
30年代に亡命していれば助かったであろうことを思うと胸が痛みます
強制収容所では珍しくテレジンではオーケストラを組織したり音楽的活動が許容されていました…というのも「ユダヤ人の文化的活動を守っている街」というプロパガンダに使われた広告街であった(この区画に移住しなさいというヴィデオへ演奏映像が使われたり、新聞に演奏写真が掲載された)からで、日に日に活動は制限され、戦争が苛烈となった44年にウルマンもついに絶滅収容所送りとなり、帰らぬ人となりました
ちなみに、テレジンでオーケストラを指揮し、ウルマンと同じくアウシュヴィッツ送りになるものの
生還した指揮者が、チェコフィルを鍛え上げたことで知られるカレル・アンチェルだという話を、かの生放送でもしました(アンチェルは奥さんとお子さんをガス室で亡くしています)
画像はナグルの「収容所の部屋」(PD)と、フリッタの「葬儀のテレジン」(PD)です(この二人の画家もまた収容所でウルマンと同年に亡くなっています)
mylist/24963463 mylist/29113406 ■追記:広告ありがとうございます!