Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=vuA08MsNT_g)。
1825年にベートーヴェンが作曲した弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 作品130は、6楽章と
いう破格の構成もさることながら、最終楽章が非常に巨大なフーガであったために賛否両
論を巻き起こし、結局は友人や出版社の助言により最終楽章をより小ぶりなロンドに差し
替える一方、フーガを独立曲として出版することとなりました。これが「大フーガ」作品
133です。
当時は楽曲の編曲版を作って新たに楽譜を出版することが一般的で、「大フーガ」も一旦
はベートーヴェンの了解のもと、ピアニスト兼作曲家として活躍していたアントン・ハル
ムという人物が4手ピアノ版に編曲を行います。ところが、出来上がったハルムの編曲版
の出来栄えはベートーヴェンを到底満足させるものではなく、彼は散々に文句を並べた末、
ついには自分で4手ピアノ用に編曲しました。こうして1826年9月に完成したのが「4手ピ
アノのための大フーガ 変ロ長調」で、作品番号も原曲の次の「134」が付され、原曲と同
時に出版されました。
この動画では1830年に制作されたフォルテピアノによって演奏されており、ベートーヴェ
ンの時代のピアノの響きを偲ばせる音響となっています。
カレン・ブライアント、ドミトリー・ラフマノフ(フォルテピアノ)