千歳楼があるのは愛知県北部の春日井市。廃墟横を流れる庄内川を挟んで千歳楼側が春日井市。定光寺のある側が瀬戸市です。(生放送では瀬戸市と表記していました。)
かつて春の桜や秋の紅葉を見られる場所として、多くの観光客を惹きつけた千歳楼。戦前より名古屋の奥座敷として栄えていました。陶芸家、文人、実業家、高僧などが訪れ、日々の疲れを癒していたといいます。最盛期の1994年には年商10億円を突破したこともあったのだとか。
しかし、最盛期を過ぎると売り上げは落ちていき、千歳楼付近にあった旅館も廃業が相次いでいったそうで、1990年代前半に8件あった千歳楼周辺の旅館は1999年には千歳楼を含む2件にまで激減してしまいました。大都市名古屋方面からの人の流れが飛騨方面や信州方面に向いていったのが衰退の原因と言われています。定光寺付近の人気低下とともに、経営努力むなしく千歳楼も2003年には約6億円の負債を抱えて倒産してしまいました。