「彼岸の花は無間に咲く」
うた:さとうささら
作詞:ザビエル.T
作曲:谷飛沫
編曲:谷飛沫
動画:谷飛沫
ザビエル.Tさんとのコラボ作品です。
秋を彩る彼岸花にまつわる悲しい物語を
ザビエル.Tさんが情感たっぷりに書き上げてくださいました。
よろしくお願い致します。
歌詞
「彼岸の花は無間に咲く」
あなたが私を殺すのならば
私は無間に咲きましょう
A
深い日陰のその縁に
苔生していた 御影石
この背を預け 仰いでも
お天道様には ほど遠く
A'
いずれ萎れる さだめだと
呆けた私を 抱いた手
目のくらむような畦道に
足をつかせて くれました
B
痩せて朽ちゆく はずの私を
助けた恩を 返しましょう
身の程知らずと 言われようとも
S
空を見るだけの この私に
あなたは何を望みましょう
せめてこの身を 人へと変えて
あなたに尽くし 果てましょう
A
不意に訪ねた その日から
寝食を共に し始めて
戸惑うあなたも いつの日か
飾らぬ笑顔を 見せました
B
慣れぬ体で 返した恩は
まだまだ足りは しないでしょう
身の程知らずの 身ならなおさら
S
「穏やかな日よ 続けよ続け」
願いが許されないとしても
せめてこの身が 朽ち果てるまで
私はあなたに 添いましょう
B
田畑に上がる 鬼火の手
旅の僧侶が こう告げた
「化生の女が この火を生んだ」
S
目を血走せた 村人の群れ
突きつけた刃は あなたへと
私を殺せと 怒号が飛び交う
あなたは鎌に 手をかけた
S
望まぬ力で 上がる炎と
躊躇うあなたに 身を晒す
「あなたが私を殺すのならば
私は無間に咲きましょう」
(間奏)
S
独り身で死んだ男の墓に
囲むように咲いた 曼珠沙華
赤く艶やかな 天上の花は
彼を抱くように 咲いていた