ドイツ海軍が予定していた海軍拡張計画である[Z(ツェット)計画]の一環で、
第二次世界大戦中に計画していた超弩級戦艦である[H級戦艦(H39)]の内の1隻。
排水量5万トン以上の大型戦艦建造計画であり、ビスマルク級戦艦の拡大改良型ではあったが、
被雷による舵機・推進機の損傷を局限するよう配慮された、独特な形状の艦尾等、幾つか相違点もある。
1937年度計画でHが予算承認。1939年中に起工された。
しかし第二次世界大戦の勃発により戦争中には間に合わないとされ建造中止となった・・・が。
その後も、各種戦訓や占領したフランスの技術調査等を経て改良計画(だけ)は毎年のように行われ、
策定年に併せてH41、42、43、44と呼称されたため、当初の設計もH39と呼ばれるようになった。
終戦により正式に承認されるには至らなかったが、最終的には・・・・・・、
全長345m、排水量12万トン、主砲50.8cm砲、機関出力28万馬力とされていた。
これはビスマルク級戦艦と比べると、全長は約1.5倍、排水量は約3倍、機関出力は約2倍の化け物である。
さらには公式とはされていないが、当時ドイツが保有していた最大の砲である列車砲「ドーラ」に用いられていたものと同じ80cm砲を主砲とし、計画排水量70万トン、主砲は機力装填にて3~5分に1発程度の発射速度、
副砲は毎分7発の24cm速射砲・・・という"H45"計画もあったらしい。
簡単に言うと、砲艦のマネをした超弩級戦艦である。
全てはアドルフ・ヒトラーの「可能な限り大きな主砲を搭載した戦艦を建造するべし」
という意向に従った結果である。
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