太宰ノ帥大伴卿の酒を讃(ホ)むる歌十三首
翻案編集 翻案なくそのままの句もあります。また、順番は変えてあります
・下手な思いにはまったら 猪口一杯の酒 仙人の仙薬を召し上がれ
・酒の名を 聖と付けし 古の 大聖人の 洒落心よし
・古の 清貧に生きた七賢人を よく見れば 酒の徳利抱きかかえ
・なまじ人に生まれるよりは 酒樽に成りて 朝から晩まで 酒浸り
・言はむすべ せむすべ知らず 極まりて 貴きものは酒にしあるらし
・金銀宝を 積まれるよりは あたしゃ猪口一杯の酒がいい
・夜光る玉を 得るよりは あたしゃ猪口一杯の酒をとる
・世のなかの 遊(ミヤ)びの道に励むもよいが 酒飲み 管巻く道もよし
・賢しら顔で 物言う奴(ヤッコ)より 酒を飲み 管を巻いても まだわかる
・賢しら顔で 腕組む奴より 酒を飲み 管を巻いても まだましよ
・賢しら顔を よく見れば あら不思議 猿のお顔に似ているような
・生ける者 つひには死ぬるものにあれば この世なる間は楽しくをあらな
・この世にし 楽しくあらば 来む生には 虫にも鳥にもわれはなりなむ