Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=mbVcbCZfgaM)。
「ルーマニア狂詩曲」第1番が代表作として知られるルーマニアの作曲家ジョルジェ・エネスク
(ジョルジュ・エネスコ 1881 - 1955)は、10歳に満たないころから作曲を始めた早熟の天才
として知られていました。そんな彼の才能を示す作品の1つが、1895年に14歳で作曲した「習作
交響曲」第1番 ニ短調です。
本作の他に、彼は1898年までに「習作交響曲」を3曲書き上げており、13歳で「弦楽のための交
響曲」第1番を作曲したメンデルスゾーンに匹敵する早熟ぶりといえます。ただし、エネスク自
身はこれら4つの交響曲の作曲を管弦楽技法を学習するための訓練の一環とみなしており、わざ
わざ「Studiu de simfonie(習作交響曲)」と名付けた後は正式な作品番号を付けることはありま
せんでした。
実際、本作は4楽章制の標準的な交響曲で、ブラームスの晩年にあたる後期ロマン派の影響にド
ップリと浸かった習作であり、ルーマニアの民俗音楽を生かしたエネスクの作風が確立するのは、
10年後の1905年に番号付きの交響曲(第1番)を作曲した頃となります。
とはいえ、その管弦楽技法は後期ロマン派の交響曲作品としては充分な水準を保っていることも
確かで、彼がドイツ音楽界で「早熟の天才」と呼ばれた理由を察することができます。
ホリア・アンドレースク指揮
ルーマニア国立放送管弦楽団