万葉集歌謡翻案 松浦佐用姫(マツラサヨヒメ)
松浦佐用姫の悲恋を謡った句です。蝶々夫人と同様の状況です。なぜか戦前の「上海帰りのリル」のような情緒になりました。そこで名づけて上海風とします。領布(ヒレ:今のネッカチーフ)。作者は異なりますが、最後の二句は山上憶良の句です。
万葉集五ー八七一からの五句連作。
・遠つ人 松浦佐用姫 夫恋に 領布(ヒレ)振りしより 負ひし 山の名
・山の名と 言い継げとかも 佐用姫が この山の上(へ)に 領布を振りけん
・万世に 語り継げとし この岳(オカ)に 領布を振りけらし 松浦佐用姫
・海原を 沖行く船を 帰れとか 領布振りしけん 松浦佐用姫
・行く船を 振り留みかね 如何ばかり 恋しくありけん 松浦佐用姫
初めの語句を三回繰り返す他は翻案していません。
黒拍子黒子 自作(?)自演