4月25日(土)6時ごろのTBS系の報道番組で、台湾・韓国のコロナウイルス対策について特集を組んでいた。台湾・韓国のコロナ対策は素早く効果的で、日本のそれは遅く非効率的だと言いたいわけだ。他のテレビ局も大体報道の方向性は似たり寄ったりだろう。確かに台湾のコロナ感染者数は400人程度と驚くべき少なさで、日本のメディアによると「台湾政府と民衆が頑張っているから」だそうだが、他にも理由があるような気がしている。
それが台湾の場合、2003年のSARSにおける苦い教訓を覚えているからではないか。2002年11月~2003年7月にわたって猛威を振るったSARSで台湾の罹患者数は670人、死者は181人、隔離された人数は15万以上である。私は当時イギリス留学中だったが、台湾や香港、中国大陸、シンガポールなどの中国語圏にかなり被害が及び、日本と韓国ではなぜか罹患者数がほぼ0に近かった。当時の留学生同士の間で日本は環境が良いから、韓国はキムチでSARSをやっつけるから、などと感染者数が少ない理由を言い合っていたのを思い出す。2003年当時、台湾の状況は日本のそれより遥かに悪く、人々は家の中に籠り、常日頃からマスクをしていたという。罹患者数と隔離された人数を見ると今の日本と同じように台湾政府もかなり焦ったことが容易に予測される。
そして韓国は2015年の中東発の感染症、MERSで痛い目に遭っている。MERSの1例目は中東から来た韓国人であり、罹患者数は183人、死者数36人で一見少なく見えるが、隔離対象者が16000人以上になった。韓国政府や医療機関も対応に慣れていなかったためか、かなり不手際が多かったと聞く。ちょうど今の日本みたいな感じか。しかし、今回の韓国のコロナ対応は台湾同様、非常に鮮やかで世界から評価されている。ドライブスルー方式やPCR検査を一斉に実施し、感染者の増加を効果的に抑えてきた。徐々に市民生活が元に戻ろうとしてきている。
SARSの時の台湾、MERSの時の韓国の教訓が今のコロナ対策に生きているのではないか、と私は推測する。台湾も韓国も一度痛い目に遭っていて、対応を誤るとどうなるか、そしてどう動けば効果的か、について熟知しているのだ。日本は地震は何度も経験しているが、本格的な感染症対策は今回が初めてだろう。SARS時は日本の医師2名が台湾を助けに行っていたぐらいで、日本政府は余裕の対応だった。MERSに至っては対岸の火事である。
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