2020年7月1日 18時25分
ヘイトスピーチなど民族差別的な言動に全国で初めて刑事罰を科すことを盛り込んだ川崎市の条例が、1日から全面的に施行され、被害を訴えてきた在日コリアンの当事者などが会見を開いて条例への期待を語りました。
全面施行された川崎市の条例は、人種や民族、性的指向や障害などを理由としたあらゆる差別的な取り扱いを禁じていて、中でも、日本以外の国や地域の出身者に対する民族差別的な言動を繰り返した場合は、刑事罰を科すことを全国で初めて盛り込んでいます。
1日は施行をうけ、条例の制定を訴えてきた市民などのグループが会見を開きました。
このうち、市内在住でヘイトスピーチの被害を訴えてきた在日コリアン3世の崔江以子さんは「これまでは助けてほしいと声をあげても受け止めてもらえなかったが、条例で差別を犯罪として扱い川崎市が市民を守ると宣言してもらえた。条例の抑止効果に大きく期待しています」と喜びを語りました。
また、条例ではインターネット上のヘイトスピーチについても、専門家による審査会に意見を聴いたうえで、拡散防止の措置を講じるとしていることに触れ、「ネット上のヘイトとは裁判などで闘ってきたが追いつかない。すでに市に300件ほどの書きこみのデータを提出しているので、審査会で判断してもらい被害にあっている人に諦めなくていいと希望を届けてほしい」と話していました。