山を歩きながら俺は葛藤していた、もう一度ジャクソンに戻って皆に謝るか・・・ちゃんと謝罪すればもしかしたら許してもらえるかもしれない。
しかし村で一番気の強いエリーとディーナの事だどうなるかわからない、それに二股でエリーに手を出したとわかればジョエルに何をされるかもわかったもんじゃない、殴られるだけじゃあ済まないかもな・・・この状況と自分への飽きれから渇いた笑いが漏れてきた
そうこうしているうちに日も暮れ雪も吹雪いてきたこのままでは凍死してしまう、どこか休める所を探さなくては。しばらく歩くと奇跡的に廃屋を見つけた、こんな所に廃屋があるなんて知りもしなかった、当然ここは巡回ルート外だ屋内には感染者がいるかもしれない武器も何もないこの状況で感染者と出くわすのは命取りだ、しかし俺には選択肢がなかった。
ガタガタに崩れ傾いたドアを横にこじ開け、隙間から身をくぐすとリビングのような場所だった、幸いそこには感染者の姿は見当たらない。
まずはこの家の安全確認からだな、慎重第一だ。それはわかっていた、わかっていたのだが身体が言うことを聞かなかった。極度の疲労と家を見つた安心感からか俺はその場に崩れるように座り込んでしまった、そしてそのまま眠ってしまったのだ。
しばらくすると俺は変な物音で目を覚ました、「クェア・・」感染者だ、やはり屋内に潜んでいたのだ。眠っている間に俺は完全に取り囲まれてしまっていた、目を細めながら辺りを見回すと1、2、4・・少なくとも5体はいる。終わった・・・俺は死を覚悟した。
こんな事ならエリーに殺されてた方がマシだった!
こんな奴らに殺されて終わるのか。俺は目を瞑り頭を両手で抱え込みながら震え上がっていた。
「うわあああいやだぁぁあ!!」情けない声で断末魔を上げてしまっていた。
俺の叫びに呼応するかのようにクリッカーが雄叫びを上げた「キィエエエエエ!!!」
もうダメだ!終わった!次の瞬間だった、ゴシャアという鈍い音と共に「オラァ!」という低い男の声が聞こえた。恐る恐る目を開けるとそこにはまるで俺を守るかのように屈強な筋肉を纏った男が俺に背を向けて立っていた。その男の足元には頭を潰された感染者が転がっており、ピクピクと痙攣していた。そしてその男はそこら辺に転がっていた丸太を腰だめに構え、感染者に立ち向かっていった。彼岸島かよ。そいつはあまりにも強く次々と感染者をちぎっては投げちぎっては投げ、たまに「グラビトンサージいけるよ!」とかわけのわからない事を叫びながらあっという間に感染者を全員片付けてしまった。拳で。
「あ、あんたは・・・」
「あたしはアビー、あんたの叫び声が聞こえたから助けに来たのさ」
俺はこいつの筋肉を信じる事にした。
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