遠い昔。地中海の西の果てイベリア半島。イスラム教徒たちがアル=アンダルスと呼んだ場所。
幾つもの国々がモザイクのように入り乱れていた時代。ムルシア国の王族のラシーダ(朝夏まなと)は、武勇に優れた弟の国王アル=ディーブ(相葉裕樹)を支え、内政に手腕を振るっていた。敵対するバルセロナに新たな傭兵隊長“隻腕のダリオ”(伊礼彼方)が着任したことから、彼らの運命は大きく動き始める。それはムルシアに身を寄せラシーダを姉と慕う亡命者の姫君カトルンナダー(咲妃みゆ)にとっても人生を変える出来事だった……。
豊かで寛容なアンダルスの風土に誇りを持ち、懸命に生きる人々の姿を描く時代ロマン物語。