不穏な空気が漂う中、球審はソーシャルディスタンスを守るように厳しく注意。
アストロズの捕手マルドナドや味方選手になだめられたロレアーノは感情を抑えてゆっくりと一塁へ歩いた。
これで事態は収束。そう誰もが思った矢先だった。
一塁側のアストロズベンチからシントロン打撃コーチがロレアーノに向かって野次を飛ばして挑発したのだ。
「彼はスペイン語で僕の母親について言ってはいけないことを言いました」
「両親は僕のために自分たちの人生を犠牲にしました。
僕の夢をかなえるためにたった1人の子供を異国の地へ送り出すという難しい決断をした。親元を離れて10年になる。つらいです。
そんな僕に向かって彼(シントロン)は母に関することを言った。許せなかった。
あの瞬で僕の中で炎が燃え上がりました」
同選手は自身の行動を猛省。
さらには自分の突進をタックルで止めた敵軍控え捕手のガーノーに対しては「ずっと僕のことを守ってくれていたんです。
倒れて下敷きになった僕に『大丈夫か?』と心配してくれて。僕が『ありがとう』と言うと『気にすんな』って。彼にはリスペクトしかありません」