お年頃
宇陀津の上がらぬ人生を
脇目も振らずに生きてきて
今更泣き言いうくらい
ロマンチストじゃあるまいし
降り注ぐ人生の
水も甘いも飲み干して
立ち枯れた木の枝の
橋を渡ってみるスリル
死神を親友(つれ)と見間違う
後半戦のお年頃
死ぬほど愛してやるなんて
口が裂けても言えねえ
華やぐ未来の架け橋は
とうの昔に崩れ去り
心に残るあの唄は
最後の時を刻んでる
蝶よ花よともてはやされて
この世の春を謳歌して
終の住処を探しても
掘立小屋すらありゃしねえ
死神を親友(つれ)と見間違う
刹那な季節のお年頃
死ぬ気で愛してやるなんて
口が裂けても言えねえ