Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=zi6FdphM7CA)。
サー・アーサー・ブリス(1891 - 1975)はプロコフィエフと同い年のイギリスの作曲家です。作風としてはフランスの印象派、更にはストラヴィンスキーなどの近現代音楽の影響を受けつつも、その本質はエルガーに連なるイギリスのロマン主義に立脚したもので、現代音楽特有の先鋭さに欠けるため音楽界における評価はさほど上ではないものの、一般大衆に親しみやすい作品を多数作曲してイギリス音楽界の重鎮として活躍しました。
1922年、グロスターでスリー・クワイアズ・フェスティバルが開催されるにあたって、イギリスの作曲家たちに新作の作曲が依頼されました。これに対し、ブリスは「色」に関する交響曲を完成させ、グロスター大聖堂で初演しました。これが「色彩交響曲」作品24(F.106)で、練習時間が短すぎたため初演は不評だったものの、曲を聴いたエルガーは「disconcertingly modern(戸惑うほど現代的)」と評し、やがてイギリス音楽界では演奏のレパートリーとして定着して、ブリスの代表作となりました。
作品は4つの色(紫、赤、青、緑)からブリスが思い浮かべたイメージを各楽章の曲にしており、不協和音が含まれつつも親しみやすい曲想に満ちた流麗な作品となっています。なおブリスは1932年に本作を改訂しており、この動画の演奏も1932年版に拠っています。
デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ指揮
イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニア