Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=FC8XeCaVA28)。
1964年5月18日のウィーン音楽祭において、ベルリン・フィルを率いる指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンと、20世紀におけるドイツ最高のピアニストとうたわれたヴィルヘルム・バックハウスは、ブラームスのピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83を共演しました。これは、音楽性がほぼ正反対であると評される両者が記録に残る中で唯一の共演です。
バックハウスはこのライブの3年後にカール・ベームの指揮によりウィーン・フィルと同曲を録音しており、そちらはこの曲の最高の名盤と評価されているのと比べると、この演奏はライブならではの技術の不安定さによる欠点が耳に付き、モノラル録音というハンデもあって、今一つの出来という印象です。
ただし、カラヤンが統率するベルリン・フィルの響きは自身の美学を徹底させた1970年代の演奏ほど先鋭化しているわけではなく、むしろバックハウスの演奏に寄り添う部分があり、もう一方のバックハウスも第3楽章でベルリン・フィルに寄り添う部分を聴かせるなど、巨匠同士の「一期一会」にふさわしく興味深い演奏だと思います。
ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団