湊川神社のお火焚祭は、毎年12月8日に湊川神社の摂社・楠本稲荷神社で斎行される神事。
巫女が釜で沸かし米や酒を入れたお湯に笹を浸し、周りに振りまいて穢れを祓う『湯立神事』によって家内安全や商売繁盛、無病息災を祈願します。
また、神職らによって崇敬者の願文が書かれたお火焚串を焚き上げる「お焚上神事」も行われます。
12月8日という日付は、大東亜戦争開戦日ではあるが、当神事はそれに因んだものではなく、神道に於ける『事始め・事納め』という節目の日であり、その年の豊作への感謝、翌年の豊作の祈願のみならず、歳神をお迎えする準備に入る日とされる為に、この日に行うものです。
間もなく冬至も近く、日神の力を蘇らせる為に火を焚きその力を養うという意味も込められている、言わば『蘇りの神事』なのです。
尚、楠本稲荷神社は、湊川神社が鎮座する前からこの地に鎮まる神であった為に、『もとからあった神社』として『楠本稲荷神社』と名付けられました。
現在では、赤燈籠の美しい社殿内がインスタ映えするとして人気を博しています。
神社本庁所属神主・楠公研究会代表理事・表千家茶道教授者・池坊教授・作家
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