帰り道
特に思い出が無い……
うなだれた向日葵の
枯れ朽ちる艶姿
8月の不条理な天気雨
君にあいたくなるふとした曲がり角
空際に響くピアノの音色が
紺色の制服の
面影を胸に落とす
こんなふうな片思いを
誰に知られることもなく
内に秘める事に費やして
空回りの笑顔だけ
君に向ける遠い夏
婀娜めいた徒桜
夢で見て憂いてた
春先の不機嫌な花吹雪
何も知らないふりで
はしゃぐ事もできるけど
大人びた眼差しに見透かされて
切なくて恥ずかしい方がいい
あんなふうな両思いを
証拠をのこす事もなく
2人戯びに取り憑かれて
きれいな空に
放り投げた浅はかさ
遠い
雨を待つように
君を待っていた
ひどく焦がれてた
夢は夢のまま