北関東の田舎の、あるお寺のお坊様から聞いたお話。「即身仏はなぜ尊いとされたのでしょうか」
その寺のお坊様は私にこう問いかけました。
「それは『餓え』という生命全てが持つ生存欲を、意志の力で越えていく行為ゆえです。大乗仏教では個人的な苦行は否定されていますが、即身仏のみ、自らの餓えを以って他者の餓え、大きな飢饉を贖おうとする、キリスト教的な価値観が見て取れるのです」
人間の三大欲求である性欲、睡眠欲そして食欲。餓えとは、その最大の欲求である食欲が満たされない時に発生する、生命体の最大の試練なわけです。
最近、育児放棄による乳幼児の餓死が多数報道されるようになっていますが、実はこうした事例は、昔から多くありました……
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